2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- Thirteen --**
近頃では雪と会うときでさえもビデオカメラがつきものになった。
最初は2人とも撮られることを恥ずかしがったり嫌がったりしていたけど、
「記念だからお願い」
とワタシが頼むと、
「しょうがねぇなぁ」
「分かったよ、栞ちゃん」
と言って、ワタシのワガママにつき合ってくれた。
すごく申し訳ないと思うのは、ワタシが“記念だから”と言ったばっかりに、屈託のない笑顔の中でもフッと切ない表情をさせてしまうこと。
ワタシの病気を知ってから、2人ともそういう表情が増えてしまった……。
それでもワタシは、気づかないふりをしてカメラを回し続けた。
そばにいなくたって、カメラの中では会えるから。
わけもなく泣きたいときに、それがすごく役に立つから。
無理をさせているのは痛いくらいに感じているし胸も痛むけど、それでもワタシは記憶の記録――つまりは思い出作りのために、カメラを回さずにはいられなかった。
ごめんね、直貴、雪。