2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- Thirteen --**
そして女の子から告白できる日・バレンタインデーが翌週に押し迫った週末の日のこと。
この日も直貴は仕事があって、例によってビデオカメラを片手に雪とバレンタインの雰囲気が漂う街を歩いていた。
「そうだ栞ちゃん!」
雪は何かに閃いたようで、ビデオカメラを向けるワタシにキラキラとした笑顔を見せた。
「なに?」
「今年はチョコ、桃原さんにあげるでしょ?」
「うん」
「だったらさ、チョコのほかにも何かプレゼントしない?」
「プレゼント?」
「うん。そのネックレス、クリスマスのプレゼントだったんでしょ?まだお返ししてないってこの前言ってたじゃん、栞ちゃん」
――プレゼントか……。
そういえば、ワタシは直貴からもらう一方で、クリスマスのお返しもまだしていなかった。
「あ……、でも何をあげたらいいか分かんない」
雪の提案には乗りたい。
だけど直貴が好きそうなもの、欲しそうなものはリサーチしていなかった。
「そっかぁ……」