2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- Thirteen --**
そして雪は歩きながら考える。
ワタシも雪の隣を歩きながら、直貴が何をあげたら喜んでくれるかを考える。
2人でウンウン唸りながら考えること、約1分。
「……ごめん雪、やっぱりお金くらいしか思いつかないや」
ワタシがそう言うと、
「ぷはっ!乏しい発想力だねぇ、栞ちゃんは。桃原さんは金の亡者(モウジャ)か!」
雪は急にケタケタ笑いだして、ワタシの背中をトンと軽く叩いた。
「だってさ……」
「だって、なに?」
「何かあげたことないんだもん、今まで1度も」
ワタシが恥ずかしがりながら白状すると、雪はさらにケタケタ笑った。
「じゃあさ、こうしようよ」
雪は笑いをこらえながらワタシの耳に口を近づけて、内緒話でもするみたいにある提案をした。
「いいね、それ!」
「でしょ?」
早速ワタシたちは近くの喫茶店に入り、直貴にメールを打った。
お茶をしながらケータイが鳴るのをしばらく待つことにしたんだ。