2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- Two --**
ワタシは少し嘘をついた。
後頭部もズキズキするし、腰も確かに痛かった。
だけど本当は……、本当に一番痛いのはこの心。
「そんなにか。いや、ほんと悪かったよ、小峯栞さん。気休めだとは思うけど、湿布買ってきたから使って」
ワタシの嘘を真に受けたその人は薬局の袋から湿布を出してワタシに渡した。
「同情のつもり?」
私は湿布を受け取らずに聞いた。
「……」
その人は答えなかった。
「“ありがとう”って言うと思ってたんでしょ?」
「え……」
その人は驚いた顔をした。
「残念ですけど、ワタシの“ありがとう”はそんなに安売りしないの」
ワタシはこの時どうかしていたんだと思う。
変に強がって刺(トゲ)のあることを言って、人の善意を全て同情だと決めつけて。
そしてワタシは、傷つけてしまった……。
「気を悪くさせて悪かった。立てるか?もう夕方だけど今から向こうに行こう。乗っけてくから」