2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- other side Thirteen --**



何度も自分に言い聞かせては、栞とつないでいないほうの手をジャケットの中で力いっぱい握っていた。


そして俺は思った。
何十年も先の未来に向けて言った“いつか”をもっと増やせばいいじゃないか、と。


栞の部屋に泊まったときに言おうと思っていた、栞があまのじゃくな姫になった理由や、栞が月みたいだと言ったことの続き。


それを“いつか”の未来を2人で迎えられるように、その時のために、俺の胸の中にしまっておくことにしたんだ。


そしたら栞だって楽しみが増えるかもしれないし、希望や頑張ろうと思う気持ちが強くなるかもしれないもんな。


だから俺は、栞が「続きが聞きたい」とせがんでも、もったいぶって言わなかった。


大して立派な理由じゃないけど、言わなかった裏にはそんな俺の気持ちが隠されていたんだ。


最後まで栞は首をかしげていたんだけれどね。


でも、俺と栞の2人だけが持つ秘密というか未来というか、共通の目標みたいなものがどうしても欲しかったんだ。
 

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