2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- other side Thirteen --**



栞は、もしかしたら“ワタシなんかといて直貴は幸せ?”なんて思っているかもしれない。


いや……、間違いなくそう思っているだろう。


俺を見る目や笑う顔の中に、そういう部分を感じるから。


たぶん、聞きたくても聞けないでいるんだろ。


“ワタシといるばっかりに不自由な思いや悲しい思いをしているんじゃないかな”


栞のことだから、そういう気持ちが常に心の奥に黒く染みついて取ることができないだろう。


いつ発症するかという、栞にしか分からない恐怖がつきまとうんだから仕方がない。


でも俺は、間違いなく幸せだ。
偽善とか同情とか、そういう気持ちで一緒にいるわけじゃないってこと、どうしたら栞に分かってもらえるんだろう……。


その場かぎりの言葉じゃ軽く聞こえてしまうかもしれない。


だったら言葉じゃなくて、時間をかけて俺の行動の全てから分かってもらおう。


どこまでもポジティブを貫いて、そんな考えにたどり着いた。
 

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