2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- other side Thirteen --**



ヒデとは、あれからそう多くは連絡を取り合ったりはしなかった。


ヒデも先生の仕事が忙しいんだろうと、連絡の少なさを気にすることはなかった。


前だって大学生のときほど連絡し合っていたわけじゃないし、なんせ卒業シーズンが近づいているもんだから、ヒデ自身にも余裕がないんだろう。


たまに電話で話すと、ヒデは生徒の進路のことばかりだった。


「以外と頼られる先生なんだな」なんて茶化すと、


「そうなんだよ〜。でも俺は、女子高生の相談しか乗らねぇんだけど」と冗談で返してくる。


ヒデとの友情は良好そのものだった。


逆に雪ちゃんとはよく連絡を取り合うようになっていて、栞に怒られない程度にメールも電話もしていた。


「ヒデと会えなくて寂しいんじゃない?」と俺が聞くと、


「あたしは理解がある大人の女なのよ」と返される。


「桃原さんもあたしを見習って、あんまり栞ちゃんにベタベタしないよーに!」


なんて釘を刺されたりもする。
 

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