2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- Fourteen --**
「あ〜、高校卒業したらすぐに1人暮らし始めたから。自炊は得意なんだ」
「へ〜」
「うん」
――どうしよう、ワタシの家族のこと、聞かれるかもしれない。
いつか話さなくちゃとは思っているけど、こういう日には話したくない。
「余計なお世話かもしんないけどさ、栞の家族には……話してないの?」
直貴は箸を置いて、気遣わし気に聞いた。
――来た……。
「……」
ドキドキのピークが来た。
ワタシの心臓は、自分にも聞こえるくらいドクッドクッと早い鼓動を打つ。
「……ビールでも出すね」
ワタシはいたたまれなくなって、直貴の質問をはぐらかすように席を立とうとした。
「……大事なことだよ」
直貴はワタシの腕をつかみ、静かに言った。
「き、今日はいいじゃん、そんな話。あんまり時間も合わないんだしさ、会えるときくらい楽しくしようよ」
そう言って恐る恐る直貴を見下ろすと、真剣な目の中に切なさの欠片が見えた。