2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- Fourteen --**



「……手作りなんだ。昨日、雪と作って。あとクリスマスのお礼も入ってるから。感謝の気持ち」

「ありがとう」

「家に着いたら開けてみて。おいしいはずだから」

「うん」


そして直貴は、笑顔をあまり見せずに帰っていった。


暗い雰囲気のバレンタイン。
しんみりとしたバレンタイン。


ワタシの勝手な想像だけど、恋人同士のバレンタインはもっとピンク色で華やかなイメージだった。


でも、ワタシたちのバレンタインはピンク色でも華やかでもなかった。


直貴が帰ったあと、直貴が使った食器を洗っていると、悔し涙がこみ上げてきた。


――病気のせいで……。


そんな、どうにもならないハンデが重くのしかかる。


直貴に話さなきゃいけないことがいっぱいあるのに、それを言えないワタシ。不甲斐ない自分に悔し涙が溢れた。


人を信じたいけど、信じ方が分からない。


人を愛したいけど、愛し方が分からない。


悔しくて悔しくて、涙が止まらなかった。
 

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