2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- Fourteen --**
ビターチョコのように苦い思い出で終わったバレンタインから数日後。
その週の週末、珍しい人から連絡をもらって会うことになった。
直貴とはあれからも変わりなく連絡は取り合っていたけど、どことなく距離を感じたり他人行儀な部分が見えるようになった。
チョコやプーさんマスコットの感想も聞きたかったけど、直貴が嫌な思いをするんじゃないかと思ってできなかった。
そんな歯がゆい思いや浮かない気持ちの週末、せめてもの救いは久しぶりに会うその人だけだった。
待ち合わせの時間ちょうどにワタシは喫茶店に入った。
この喫茶店は今まで入ったことがない喫茶店で、店内に1歩足を踏み入れると高級感漂うコーヒーの香りがワタシを出迎えてくれた。
静かにクラシック音楽が流れる店内は、一言で言うとアンティークな感じだった。
趣(オモムキ)があって、でも古くさい印象ではなく、大人の隠れ家的なイメージの喫茶店だった。
店内の雰囲気に魅了されながらもワタシはある人を探した。