2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- Fourteen --**
店内をぐるんと見渡すと、その人はこちらに背を向けて一番目立たなさそうな奥の席に座っていた。
ワタシはその席まで行き、背中から声をかけた。
「お待たせ。久しぶり、ヒデ」
「おっ、久しぶり。……まあ、座ってよ」
ヒデはワタシが声をかけるまで気づかなかったみたいで、一瞬ビクッとしたあと、ぎこちない笑顔をワタシに向けた。
それからワタシはカプチーノを、ヒデはブラックコーヒーを注文した。
注文したものがテーブルに運ばれると、ヒデは重い口を開いた。
ヒデの顔を見たときからなんとなく彼の様子が気にはなっていたけど、ワタシは何も言わなかった。
雪とのことで相談でもあるんじゃないか、そんなふうに感じていたから、ヒデが話すまでは待とうと思っていた。
「……タバコ、いいですか?」
「どうぞ」
ヒデは向かい合って座るワタシとあまり目を合わせずに聞いた。
ヒデに改まって敬語を使われるとワタシはなんだかこそばゆい感じがした。