2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- Fourteen --**
――雪とヒデが1ヶ月も前に別れてた……?
雪はそんな素振り、1つも見せなかった。その原因がワタシだったなんて……。
――直貴が悲しむ顔……?
そんなの見たいわけない。
ワタシのせいで直貴に傷がついてしまう……。
ワタシは、どうしようもなく間違った人生の選択をしてしまった。
雪からヒデを奪った。
ヒデから直貴を奪った。
ワタシばかりが幸せだと感じたって、雪や直貴、ヒデはそう感じないかもしれない。
この場で分かることは、少なくともヒデはそう感じていないってことだ。
「あの不倫の彼、どうしてあの彼のところに行かないんですか。同じ病気なんでしょ?だったら、そうするのが一番自然で一番傷つかない方法なんじゃないんですか。……栞さんも、俺たちも」
ヒデの言うことは正論。
反論したり“でも……”と食い下がれるような余地もなかった。
「直貴や雪のためを思うならそうしてください。直貴には……、俺からは話せませんから……」