2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- Fourteen --**



ヒデはワタシから目をそらして、横を向いてうつむきながら唇を噛んだ。


そして、新しいタバコに火をつけて、何回も何回も激しく吸った。


タバコを吸わないワタシには分からないけど、自分を落ち着かせるために吸っているんだろう。


ヒデのタバコの煙が、ワタシたちが座る席全体を白く包む。


ワタシの目も、その煙に吸い込まれるように白く濁った。


「……本当は、俺だってこんなことは言いたくないんすよ。今だけじゃないんです、1年後……10年後……20年後……、先のことを見据えてほしいんですよ、栞さんには」


ヒデは泣きそうな声で言った。


ヒデが何をワタシに伝えたいかは分かる。もしワタシが逆の立場だったら、ヒデと同じことを相手に言うかもしれない。


親友、恋人、家族……。
大事な人たちを守りたいというヒデの気持ち、本当によく分かる。


親友がいなくたって恋人がいなくたって、家族がいなくたって、今のワタシはそれが分かってきたから。


……だから分かる。
 

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