2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- other side Fourteen --**
そして14日・夜。
少し仕事が長引いてしまったのは計算外だったけど、俺は急いで栞の部屋まで行った。
この日に担当したお客様たち3組とも、バレンタインだからということでチョコをくれた。
吉田さんからも取引先の会社の人からもチョコをもらって、その時間の分だけ仕事が長引いてしまったんだ。
栞はジャケットのポケットに入った義理チョコを見たら、やきもちを妬いてくれるだろうか。
それともプンプン怒りだすだろうか……。
「ワタシのチョコなんて所詮飾りよね」なんて言いかねない。
それじゃあ困ると思った俺は、部屋のチャイムを鳴らす前に空き部屋のポスト――外の共同ポストにそのチョコを一旦隠した。
そして、部屋に上がって夕飯をご馳走になったんだ。
すぐに渡してこないのを見ると、栞は俺が帰るときにチョコを渡す計画なんだろうと思った。
――なかなかかわいいヤツめ。
じらし作戦?なのかは分からないけど、楽しみだった。