2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- other side Fourteen --**
美味い肉じゃがを食べているうちに、俺はふと思いついたんだ。
――料理の味付け、誰から教わったんだろう?
栞の体のこともあるし、今まで聞いたことがなかった家族の話も聞けるかもしれない。
1年のうちで何度かあるイベントだし、こういう日なら栞も話しやすいんじゃないか、そう思った。
イベントとなれば気持ちも高ぶるだろう、そんな浅はかな考えが浮かんだんだ。
気をよくしてとまではいかないけど、せめてあまり抵抗がなく話してくれるかもしれない。
単純な考えだ。
でも俺は、栞のことを知りたいと思うあまり、大事な2人だけの時間を台無しにしてしまった……。
無理に聞き出そうとして、かえって栞を傷つけてしまったんだ。
出会ったときから、栞の中には孤独があった。
それに気づかないわけはなかったのに、栞とつき合っているという独占欲や支配欲が出てしまった。
栞が話したいと思うまで待てばよかったのに、俺は待てなかった。