2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- other side Fourteen --**
1つ1つを手に取って眺めていると、少しずつ顔が違うことが分かった。
「型まで20個も作って……」
そうボソッとつぶやくと、栞が俺を想ってくれる気持ちの大きさに涙が込み上げてきた。
「気合い入れすぎだっつーの」
考えたくないこと、これが栞にとって最後かもしれないということが、追い払っても追い払っても頭の中に入ってくる。
さらに泣けたのは、そのチョコが24個あったこと。
栞と連絡を取り合うようになってから、お互いの誕生日の話題になったことがあった。
あと2ヶ月もすれば俺は24歳になる。たぶん栞は、それをチョコの個数にしたんじゃないかと思う。
「どこまで気が早いんだか……」
バレンタインと誕生日が一緒になったみたいだった。
とてもじゃないけど、そのチョコはもったいなくて1つも食べられなかった。
冷凍庫の奥の奥に、母さんにも見つからないだろうというところに、そっとそっと隠すことにしたんだ……。