2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- other side Two --**
『ビーッ、ビーッ、
ビビビビビンゴだよーっ』
――なにがビンゴだクソッたれ!
俺は思いっきり目覚まし時計のスイッチを叩き切った。
あ、今のは俺が小学生の頃から愛用してる目覚まし時計の“ビンゴ君”。
こいつのどこを気に入って買ったのかは……、俺には謎だ。
大丈夫。
“ビンゴ君”は俺の力じゃ壊れはしない。
あのおかしな人――小峯栞だったら一発で壊しそうだけどな。
――小峯栞か……。
「あ〜!ほっぺが超痛い!」
小峯栞の名前を思い出した瞬間、昨日の“必殺・平手打ち”をされたほっぺがボワンボワン痛んだ。
と、それと同時に小峯栞との会話の一部始終を思い出した。
――あの餞別の意味、絶対、間違ってるよな。
国語辞典は俺が好きな本だ。意味を間違えたりはしないはず。
小峯栞が餞別を受けるほうなはずだ。それは、雰囲気で察しがついたし確かなこと。
――あ〜、薄情者だって連呼もしたな、確か……。