2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- other side Fourteen --**
でも、幸せが大きければ大きいほど、それが壊れたときのことを考えてしまう俺がいる。
やっぱり、あの時つかんだ栞の腕は前より細くなっている気がしてならない。
全体的に痩せてきたんじゃないかと感じることが多くなってきて、心配にも不安にもなるんだ。
栞が死ぬことなんてないと思いたいのに、俺の頭には“もし”“もしかしたら”が浮かんで消えることはない。
俺がしっかり支えなくちゃいけないことは分かっている。
あの1月の夜に、あの桜の木の前で樹紀にも約束したんだ。
辛い生き方をしなくちゃならなくても、それでも俺の気持ちは変わらないとこの胸にしっかりと誓ったんだ。
――重いな……。
このバレンタインの日、俺は本当に栞を思うことの重さに改めて直面した気がした。
“好き”だけじゃ乗り越えられない壁みたいなものが、俺を試すようにそびえ立つのが見えた。
少しだけ、栞への気持ちが揺らぎはじめているのかもしれない。