2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- other side Fourteen --**
それからの日々は、浮かない毎日だった。
これほど栞を思うのは重いことだったのかと、そびえ立つ壁にもプレッシャーにも苛(サイナ)まれた。
こんな情けないことを雪ちゃんに相談するわけにもいかない。
ヒデだって学校のほうが忙しくてゆっくり寝る間もないくらいだろう。
俺がこういうふうに思い始めていることを、栞には絶対に勘付かれてはいけない。
まるで八方塞(フサ)がりだった。
栞とはあれからも連絡は取り合っているけど、どことなく他人行儀になってしまう節(フシ)があった。
栞のほうも、バレンタインのことには触れないでおこうという配慮がうかがえた。
そして週末。
1ヶ月のうち、1回しか週末休みがない俺は、今週末も仕事漬けだった。
しかも俺は、会えないことを悲しむどころか、心の奥のほうではホッと胸を撫で下ろしている自分に気づいた。
栞を想う気持ちが本当に愛情なのかさえ、俺には分からなくなってきていたんだ……。