2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- Fifteen --**
「はい」
再びワタシもにこやかに返した。
――頑張るのはあなたじゃない、ワタシです。
心の中でそう思ったけど、悟られないようにした。
小さい頃からこういう自分のキャパを越えるようなことがあったとき、ワタシはいつも笑っていた。
ショックを受けることにはなかなか慣れないけど、笑うのだったら慣れっこだった。
「では早速、入院の手続きをしましょうか」
「はい」
素直に従う病人、お医者さんにとっては理想形なんじゃないだろうか。
お医者さんは、拒否されなくてよかった、とホッとした顔をしていた。
入院手続きの書類を出すのも、ワタシにはノリノリだったように見えた。
そしてその日・病院からの帰り、ワタシは1ヶ月以上ぶりにあの人が入院している病院へ行くことにした。
会いたいと思っていたわけじゃないけど、足が勝手に動くみたいに病院まで行った。
“同じ病気の人と話したい”みたいな、そんな感覚だったのかもしれない。