2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- Fifteen --**
ワタシが病室に入ると、あの人はすごく驚いた顔をした。
でもすぐに優しさ半分・悲しさ半分のような笑顔になって、この前と同じ椅子を勧めてくれた。
「来月の頭から入院することになったの」
「……そう」
再会したワタシとあの人の第一声はこれだった。
「ここの病院なの?」
「ううん、違うところ」
「どう?少し痩せたかな、僕」
「少しね」
「君も……少し痩せたみたいだ」
「薬と相性が合わなくて」
「そう」
「うん」
途切れ途切れの短い会話。
ワタシもあの人も、ほとんど目を合わせなかった。
というか、目が合いそうになったら慌ててそらす、そんな感じだった。
「少しワタシの話を聞いてもらってもいい?」
ワタシがそう言うまで、何分も沈黙が流れていた。
あの人は“どうぞ”と微笑みを返して、ワタシの話を聞くのを快諾(カイダク)してくれた。
「ワタシね、もう潮時だと思っているの、彼との関係に」