2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- Fifteen --**



「彼って、あのとき君に言った好きな人?」

「うん」


ワタシはそれから、この1ヶ月あまりの直貴とのことをかいつまんで話した。


あの人は時折、質問を交えながらワタシの話を聞いてくれた。


「先週末、彼の親友から“手を引いてください”ってお願いされたの」

「……」


あの人は何も言わなかった。


「彼は“同情と愛情の区別がついてない”って、親友の彼は言ってた」

「……」

「それから“彼の悲しむ顔が見たいのか”とも言われた」

「……」

「ワタシには“何十年も先の未来を見据えてほしい”って、そう言っていたわ」


ワタシはポツポツと言葉を選びながら話した。あの人はそれを黙って聞いていた。


「だからもう、潮時だなって思ってるの。来月からは入院だし」

「……そう」


あの人はやっと一言“そう”と言った。


「彼の親友が言うことは正しいのかもしれないね」


少し間をあけて、あの人は切なそうに苦しそうに言った。
 

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