2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- Fifteen --**



「正論だよね、その人が言ったことって。むしろさ、病気を知ってもつき合ってくれるほうが変だと思うよ」

「そうかも………しれないね」


ワタシとあの人は苦笑いだった。


「まだ誰にも言ってないことなんだけど、ワタシは今年いっぱいで死ぬかもしれないって言われてるの」

「……え?」


突然の告白に、あの人は口をあんぐりと開けたまま固まった。


あの人の体の機能が一時停止している。ヒデと会ったときのワタシみたいな状態だった。


「……医者からじゃないわ。病気が分かる前、ワタシの夢に出てきた人がいてね、その人からの予言みたいな感じ」

「……」


あの人はまだ口をあんぐり開けたままだった。


「童話の『金の斧と銀の斧』ってあるでしょ?主人公が落とした斧を拾ってくれる沼の精。その人から」

「本当なのか……?」

「本当。予言も余命も全部ほんとのことだよ」

「……」


あの人は無言でうつむいて、しきりに自分の手の指を絡めはじめた。
 

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