2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- Fifteen --**



「変わってないね、その癖。ワタシが別れてほしいって言ったときも同じことしてた」

「……どうして僕に?」


ワタシが懐かしむように言ったのと反対に、あの人は冷静さを欠いていた。


あの人が指を絡めるときは、自分に余裕がないときによくする癖だった。


「“同志”じゃない。病気の孤独を分け合う“同志”。だから言っておいたほうがいいと思って」

「“同志”……?」


あの人は噛みしめるようにワタシの言葉を反復した。


「彼の親友からこんなことも言われたわ。“あなたのところに来るのが一番自然で一番傷つかない方法なんじゃないか。ワタシもみんなも”って」

「……そんなことまで?」

「うん。残念だけど、ワタシはもうあなたのところには来ない。でも同志くらいだったらなれると思う」

「それで……」


あの人は、指を絡めるのをもうとっくにやめていた。


ワタシにあの人の心理は読めないけど、たぶんどんな言葉をかけようかと一生懸命探しているみたいだった。
 

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