2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- Fifteen --**
難しいとも切ないとも言える顔をして、じっと自分の指先を見つめていた。
それでも言葉が見つからない様子のあの人は、パッとワタシに顔を向け、心底申し訳なかったという顔をした。
病気をうつしてしまったこと、ワタシがヒデに言われたこと、そしてそれを聞いても言葉が見つからない自分。
自分がワタシに対してしてしまったことの全てに、あの人は申し訳ないという顔をしていた。
「何も言わなくていいよ。ただ話を聞いてほしかっただけだから」
「……すまない。はぁ……、最低の人間だ、僕は」
ワタシがそう言うと、あの人は声を震わせながら過去を悔やむようにそう言った。
「よかったじゃない、別れた奥さんが感染してなくて。その人だけでも新しくやり直せるよ。透明人間が役に立ったね」
ワタシはほとんど衝動的にあの人の手を握っていた。
「……もっと僕を責めてくれよ。どうして君はそうなんだよ……」
ワタシの手にあの人の温かい涙の雫がポタンと落ちた。