2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- Fifteen --**
「責めようだなんて思ってない。今日“入院しましょう”って言われて、やっと自分の病気を認めることができた。今とっても穏やかな気持ちなの」
あの人は大粒の涙を流しながらワタシを見た。
「今までのワタシは生きてても死んでるみたいだった。でも今はそうじゃない。病気になって初めて、ちゃんと生きてるって思えるようになったから。だから感謝してるくらいだよ」
「……」
あの人は、今まで見せたことがない泣き顔をしていた。
「生きるって楽しいんだなとか、痛いんだなとか、忘れてた感覚を取り戻せた。恋に悩んだり、友だちと遊んだり、ちゃんとできるようになったんだよ、ワタシにも」
あの人はワタシをじっと見つめたまま、ワタシの手を強く握り返した。
「だから、病気のことで泣くのはやめることにした。泣くときは、人を想うときだけに決めたの」
「……いいのか、これで……」
あの人は喉の奥から声を絞りだすように、言葉につまりながらそう聞いた。
ワタシは小さく頷いた。