2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- other side Two --**
なんであんなことを言ったのか、自分でも理解不能。お手上げだ。
――しかもビンタされたあとヘラヘラ笑わなかったか?俺。
はぁ、俺はマゾかっての!ビンタされてヘラヘラ笑うなんてなぁ。
俺は頭をワシャワシャともんだ。
ほら、どこかの動物園に有名なマレーグマがいるじゃないか。まさしくあんな感じ。
エサを取り上げられたわけじゃないけど“ショック”だったことは間違いない。
「直貴〜!仕事じゃないの?そろそろ起きなきゃマズいんじゃないの〜?」
あー、今のは俺の母さん。
ちなみに45歳。父ちゃんを愛してやまない江戸っ子だ。
「おー」
俺は、ひとまず小峯栞のことを考えるのをやめることにした。
朝ごはんは1日の要(カナメ)。
ちゃんと食べないと力が出ないと小さい頃から口を酸っぱくして言われ続けてきた。
リビングに行くと、父ちゃんと母さんはもう席についていた。
家族そろって食事をするのも、桃原家の決まりごとだ。