2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- Fifteen --**
ワタシはヒデに言われて初めて気づいたんだ。
“ワタシとみんなとは違う”。
それまでは直貴が言ったこと――“同じ人間だ”って思ってきたけど、顔も考え方もそれぞれ違うみたいに、持っている時間も違うんだってやっと分かった。
ヒデの考えは正しい。
直貴の悲しむ顔を見たいだなんてワタシの心のどこにもあるわけない。
雪のそんな顔だってちっとも見たくない。
“病気だから”
“これで最後かもしれないから”
“記念だから”。
“ワタシにはほとんど時間がないから”……。
直貴たちと一緒にいたい理由のために、ワタシは自分の不幸を利用していた。
ヒデの言ったとおり。
自分の不幸を振りかざしてみんなを振り回していたんだ。
ワタシには、クリスマスから書き始めたノートだってビデオカメラだってある。
1人で死ぬことになったって、寂しいことなんて1つもない。
思い出にすがっているんじゃなくて、それらがワタシの生きる意味や希望になるんだ。