2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- other side Fifteen --**



また新しい週が始まり、バレンタイン一色だった街もいつも通りに戻っていた。


でも、そんな変化にも俺はついていけなかった。


俺の栞に対する気持ち、愛情なのかそれとも……。


1人では抱えきれないほど、心に重くのしかかるんだ。


あのマスコットは結局今も袋に入れたまま、会社のトラックにも家の車にも、ケータイにも付けられないでいる。


自分の気持ちなはずなのに、それすら分からなくなっている。


妙にむしゃくしゃして、普段は入らないパチンコ屋に入ってボロ負けして、さらにむしゃくしゃしたりもした。


俺の会社はほぼ年中無休の会社だから、シフト制で休みは平日になる場合が多い。


前は、そういう休みのときは気ままにドライブに行ったり釣りに行ったりしていた。


でもバレンタイン後初めての休みは、パチンコ屋に行ったくらいで積極的には出かけなかった。


あの長坂さんっていう人に会いに行こうかとも考えたけど、気力も勇気も出なかったんだ。
 

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