2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- other side Two --**
「直貴、あんたちょっと昨日は遅かったみたいだけど。あんまり遊んでないで……あら、ほっぺが腫れてるみたいだわね。何かあったの?」
――おうっ。朝から母さんのマシンガントークはキツいな。
俺はチラッと父ちゃんを見た。父ちゃんは、まるで俺に見られるのを嫌がるように新聞を顔の正面に上げた。
――くそっ。逃げられた……。
「別になんにもないよ、母さん。あー、少し歯が痛いだけ」
俺は適当に返事をした。
だって朝からガミガミ言われたくないでしょ、誰だって。
たぶん、うちの母さんが少し言い過ぎるというか、過敏になっているというか、そうなんだと思う。
もう俺だっていい大人なんだから安心して見ててほしいのに。
23歳にして未だにこうして俺が家を出られないのも、けっこう母さんのせいだったりもするんだ。
「また虫歯なの?だからちゃんと歯磨きしなさいって言ってるのにっ!」
母さんはプリプリ怒った。
そりゃあもう、プリプリと。