2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- other side Fifteen --**



「はぁ、やっと謎が解けてスッキリした〜」


栞は満足気に言って、少し肩を震わせて笑った。


「お、怒って……ない?」


俺は恐る恐る聞いてみた。
“ワタシを利用するなんて最低”と言わたほうがまだマシだ。栞が笑うのが逆に怖かった。


「それくらいじゃ怒らないよ。でも、怒るとしたらもっと違うとこかな」


そう言って、栞は今日会ってから初めて俺の顔を見てくれた。


その顔は、ほの暗い場所でもよく映えるキラキラした笑顔だった。


「違うとこ?」


俺はおうむ返しに聞いた。


「直貴、教員免許は持ってる?」


栞はその笑顔のまま、質問を投げかけた。


「持ってるけど」


栞の笑顔といきなりの質問に唐突だなぁと思いながらも、俺は答えた。


「『直貴よ、大志を抱け』by小峯栞。なんちゃって」


栞は声を張り上げた。
そのあとの“なんちゃって”は照れた様子だったけど、照れた笑顔も久しぶりでドキッとした。
 

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