2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- Sixteen --**
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直貴と別れてから入院するまで、ワタシは現実を1つ1つ整理していった。
1つは、仕事のこと。
入院まで2週間を切った頃、3ヶ月間勤めた会社と、高校を卒業した18歳の頃からお世話になっていた派遣会社を辞めた。
この部屋は担当者と相談して入院の前日に引き払うことになった。
もう1つは、雪のこと。
雪には直貴のことや入院のこと、ヒデのこと、隠す部分もあったけど、ほぼ全て話すことにした。
ヒデにあの喫茶店で言われたことは、話さないつもり。
直貴と別れたのは自分の意志で決めたんだと、たとえ雪が泣きわめこうがなんとか説得しようと決めていた。
それを雪に話すことにしたのは、入院を翌週に控えた週末、部屋の片付けを手伝ってもらっているときだった。
事前に入院の話はしてあったけど直貴やヒデのことはどう切り出したらいいか分からなくて、電話では話せていなかった。
ワタシの甘え。
友だちには、雪にだけはちゃんと言っておきたいというワタシの甘えだった。