2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- Sixteen --**
片付けが終わり、がらんとした部屋で2人でコーヒーを飲みながら休んでいるときだった。
――今言わなきゃ。
ワタシはそう覚悟を決め、何日も前からシュミレーションしていたセリフの一言目を口から出した。
「……雪、ワタシさ、雪と同じになったよ」
「……??」
雪はキョトンとした顔でワタシを見た。
「ヒデとケンカ別れしちゃったんだって?ごめんね、気づいてあげられなくて」
ワタシは雪に“ごめんね”という少しばかりの笑顔を向けた。
「……なんで」
雪はとたんに顔が強ばった。
「雪の様子が変だったからヒデに聞いたの。そしたら別れたって言われて。1月の初めだったんだってね。最近まで気づかなくて、ほんとにごめん……」
「……」
雪は動揺しはじめていた。
目が泳ぐのは、雪が動揺しているときの癖だった。
何も言わない口の代わりに、雪の目はワタシに語りはじめた。
“目は口ほどにものを言う”、まさしくそれだった。