2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- Sixteen --**



雪はたぶん“ヒデから別れた理由は聞いたの?”と聞きたいんだろうと思う。


雪の目の動きからは、その質問が聞こえた。


「どうして別れたのかは聞かなかったけど、ヒデは今でも雪のことを想っているみたいだったよ。なんとなくだけど……ワタシにはそう感じた」

「……知ってたんだね」


雪はワタシの言葉で少しだけ安心したようで、小さく震わせる唇でそう言った。


「知ったのはバレンタインの後。チョコを作る雪がいつも通りじゃなかったから気になってね」

「……そうだったの」

「うん。だからワタシはヒデに聞いたの」

「……なんだ、けっこう早くバレちゃうもんだね、嘘って」


雪は目を少し涙で潤ませながら照れたように笑った。


「ワタシのときよりは遅かったじゃない。ワタシって顔に出やすいタイプだったみたいなんだよね。今まで気づかなかったけど」


そう言って、ワタシはコーヒーを一口飲んだ。


「……まさか栞ちゃん、あたしと同じって……桃原さんと……?」
 

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