2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- Sixteen --**



雪は“嘘でしょ”というように両手で口をふさいだ。


「ワタシも直貴も限界だったの。お医者さんに“入院しましょう”って言われてからいろいろ考えてね、これが一番いいって答え出したの」


涙ぐむ雪とは反対に、ワタシは笑顔でそう言った。


「ダメだよ……栞ちゃんは」


雪はワタシの腕をつかんで“ダメダメ!”と首を横に振った。


「雪、直貴の気持ちも考えなきゃダメだよ。最近の直貴ね、すごく辛そうだった。ワタシとつき合うことに疑問を感じはじめてる顔をしてたんだよ」

「栞ちゃんは、自分のことだけ考えていればいいんだよ……」


ワタシの言葉に異議をとなえるように、雪は泣きながら言った。


それでもワタシは首を振る。
縦ではなく……横に振る。


「直貴には、何十年も先の未来を見てほしいの。雪だってヒデだって同じ。雪はヒデとヨリを戻したほうがいいと思う。雪だってまだヒデのことが好きなんでしょ?」


ワタシにすがりつく雪を優しく抱きしめながら、ワタシは言った。
 

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