2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- Sixteen --**
「だってヒデくん……」
雪は、そこで言葉を止めた。
ワタシが傷つくと思ってか、別れた理由の核心に触れていいのかどうなのか、言葉を詰まらせた。
「言って?大丈夫だから」
ワタシは雪にそう言った。
ヒデから雪と別れた原因がワタシだと聞かされたときの衝撃に比べれば、今のワタシは何を言われても平気な気がする。
「……栞ちゃんには“触れない”って。一般論ばっかり並べて、栞ちゃんをバイ菌みたいに言ってたんだよ。悔しいじゃない、大事な友だちのことをそんなふうに言われたら。悔しいじゃないのよ!」
雪はだんだんに語気を強めいって最後には大声になっていた。
「ヒデは知り合ってから日が浅いから。普通、1ヶ月くらいだったらそう言うのが当たり前だと思うよ」
ワタシは静かに言った。
「栞ちゃんは栞ちゃんじゃない!病気とかそんなの関係ない!」
「みんな同じ気持ちでなんていられないんだって。運動会のクラス対抗リレーとかじゃないんだからさ、団結なんてできっこないよ」