2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- Sixteen --**



「そういうわけじゃ……」


ワタシの口からは、とっさに否定の言葉が出た。


「ヒデくんはあたしに“どこまでが愛情でどこからが同情なのかはっきりさせろ”って言ってた。でもあたしはそのどっちでもない。栞ちゃんには分かる?」


雪は、ワタシの何とも言えない複雑な顔を見てそう聞いた。


「……」


ワタシは分からなかった。
雪が何を言おうとしているのか、全く検討がつかなかった。


「“友情”」


雪は泣きながらニッコリとワタシに微笑みかけた。


「愛情よりは劣るかもしれないけど、同情なんかよりはずっと高い位置にあるんだよ?」


ワタシの目を真っ直ぐ見る雪は、すごくきれいだった。


いつもは幼さが残ったかわいい顔をしているのに、今の雪は“きれい”が似合う大人の女性だった。


「女の友情は男の友情より強いんだから。ヒデくんと桃原さんの友情なんてね、鼻クソ以下なんだから。鼻クソだよ、鼻クソ!」


雪はきれいな顔をで3回も“鼻クソ”と言った。
 

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