2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- Sixteen --**



「鼻クソはちょっと……」


雪の顔と言葉にギャップを感じてワタシは少し笑ってしまった。


「言いすぎかな?」

「少しね」


雪もワタシも、そのままププッと笑った。


雪が言いたいことは分かる。
2人の友情は壊れない、そう言いたいんだと思う。


そこまで思ってくれる、その気持ちがすごくうれしかった。だから雪の友情に応えたい、そう思うワタシがいる。


「雪、落ち着いて聞いてね」


少し間を置いて、ワタシは冷めかけたコーヒーを1口飲んで気持ちを落ち着かせてから言った。


用意していた答えじゃなく、本当のことを話そうと覚悟を決めた。


「うん、大丈夫。あたしを信じて言ってみて」


雪はいつになく落ち着いていて、ワタシがわざわざ前置きをしなくてもよかったみたいだ。


覚悟を決めるのは、むしろワタシのほうだった。


「あの……」

「うん」

「あのね……」

「栞ちゃん、落ち着いて」

「う、うん……」
 

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