2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- Sixteen --**
うまく話を切り出せないワタシを気遣って、雪はワタシの手を握ってくれた。
去年の12月、直貴とどう連絡を取ったらいいかと相談したときの再来だった。
いざとなると、雪を信じてはいるけど怖くて話せない。
「ふぅ」
「ふぅ」
ワタシは深呼吸をした。
雪もワタシと一緒に深呼吸をしてくれた。
「はっきり言うよ」
「うん」
ワタシは雪の手を強く握りしめて目をギュッと力いっぱい閉じた。
「……来年まで生きられないかもしれない」
「……」
「入院したら死ぬまで出られないかもしれない」
「……」
「ワタシの一生のお願い。直貴には言わないで……」
「……」
「今のワタシの夢は、来年の春まで、26歳になるまで生きること」
「……」
「これが、ワタシの現実……」
ワタシは、息を止めたまま一気に言い切った。
雪はワタシの告白にどんな顔をしているのだろう。
見るのが怖くて、目を開けられなかった。