2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- Sixteen --**



目をつぶったまま、ワタシは下を向いていた。


「……もっと早く言ってよ。あたしにできること、もっとあっかかもしれないのに……」


雪の手に重ねたワタシの手に、雪の温かな涙が落ちた。


その温度に触れた瞬間、きつく閉じたはずのワタシの目からも涙が溢れ出した。


「ごめん……。雪が辛くなると思って今まで言えなかった……」

「バカだよ栞ちゃんは。隠されてるほうがよっぽど辛いんだから」

「……うん」

「栞ちゃんは我慢しすぎ。今までいっぱい辛かったね……」

「……ごめん」

「なんで栞ちゃんが謝るのよ」

「だって……」

「言っとくけど、ヒデくんなんてとっくに忘れたんだから」

「うん」

「栞ちゃんをバカにするような人なんかね、あたしがぶっ飛ばしに行ってやるんだから」

「うん」

「大丈夫。あたしが一緒にいるから。女の友情はこんなことくらいじゃびくともしないんだからね」

「うん……」


ワタシは雪に抱きついて思いっきり泣いた。
 

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