2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- Sixteen --**



矛盾ばかりだし、一貫性もないワタシの気持ち。


前まではそんなことはなかったのに、死ぬと分かってからというもの、情けないけどフラフラしすぎていた。


その中で見つけたのは、あの人に対する感謝の気持ち、雪に対する友情の気持ち。


直貴に対する恋の気持ち。
本気で恋をしていたからこそ分かった“愛”という気持ちの片鱗(ヘンリン)だった。


恋はできても愛することはできない、そう思って生きてきたワタシへの、神様からの天罰と慈悲なんじゃないかと思う。


少しでも“愛”とはどういうものかが分かってよかった。


雪とも、こうして心から友情を感じ合うことができて本当によかった。


間違った人生の選択をしてしまった道の先で得たものは、そういう気持ちだった。


ここからワタシは軌道修正をしなくちゃならない。


残りの時間を使って、後悔をいい思い出に変える軌道修正をしなくちゃならない。


雪がそばにいると言ってくれたから、ワタシはそれだけで百人力。
 

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