2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- Sixteen --**
雪と2人で大泣きしたあと、雪は家には帰らずに泊まると言ってくれた。
ワタシはそれを快諾し、借り物ではあるけれど使い慣れた狭いベッドに雪と並んで寝た。
言いだしたら止まらなくなって、直貴と別れたときに言ったことや2度目にあの人の病院へ行ったときのこと……いろいろと話した。
雪は「桃原さんに本当のことを言わなくていいの?」と何度も聞いた。
そのたびに、ワタシは「直貴の将来のためだから」と首を横に振った。
雪は、ワタシが話したことの全てをこっそり直貴に言うつもりなのだと思う。
だからワタシは、その前に「直貴に言ったら許さないからね」と釘を刺しておいた。
口では“もう忘れた”なんて言っていたけど、雪はまだヒデが好きだと思う。
ヒデに呼び出されて言われたことは、いつか2人がヨリを戻そうと歩み寄ったときの障害にならないようにと思って、死ぬまで黙っていることにした。
本音を言うと、ワタシが生きている間にヒデと雪の結婚式が見てみたかったから。