2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- other side Sixteen --**
こういう自分の心の奥に隠されたことを露(アラワ)にされる屈辱的なことは、同性と異性とでは感じ方が違う。
場合によって違いはあるけど、栞からの……お互いに好き合っている者同士からの言葉は、俺には堪え難いものだった。
俺や樹紀の人生を真っ向から否定するような、侮辱(ブジョク)するような言い方に、俺はしばらく込み上げる怒りを収めることができなかった。
収拾がつかないところまで膨らんで、それをどうにもすることができなかった。
衝撃から怒りに変わり、さらに栞に対する想いが愛情ではなかったと感じるようになっていった。
同情を愛情と錯覚していた。
きっとそうだったんだろうと思うようになった。
怒りのままに、俺は強引にそんな結論を出したんだ。
栞が言った、来年の春まで生きることが夢だとか、そんなの知るかと思った。
俺の夢と栞の夢じゃ比べものにならないくらい重みが違う。
そんなくだらない夢と一緒にするなと思った。