2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- other side Sixteen --**
母さんや父ちゃんにも迷惑をかけることが多くなり、朝の食卓は母さんと父ちゃんの2人きり、俺は一緒に食べなくなった。
仕事の帰りが遅い父ちゃんは、休みの日くらいしか一緒に夕飯を食べられない。
そんな平日は母さんと2人で食べることが多かったんだけど、俺が毎日飲み歩くようになってからは母さん1人で夕飯を食べるようになった。
栞とつき合いはじめてからは母さんと夕飯を食べるのも徐々に減りつつはあったけど、母さんはうれしそうだった。
だけど今では、母さんはあまり笑うこともなくなり、厳格な父ちゃんは見放したのか心配しているのか、だらしない俺を見ても何も言わない。
それでも母さんは朝晩と俺の分まで食事の用意をする。悪いことをしていると思うけど、今はそんな気分じゃないんだ。
仕事でも迷惑をかけて、家でも迷惑をかける俺は、桃原家の長男失格だと思う。
自分でもそれは痛いくらい分かっているけど、だけど俺には、短時間での立ち直り方も恋の忘れ方も分からなかった。