2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- other side Sixteen --**
2月も終わりに差しかかり、そろそろ1人で飲むんじゃなくて誰かにグチを聞いてほしくなってきた頃、俺はヒデを強制的に飲みに誘った。
まだまだ仕事が山積みなのは分かっていたけど、俺自身1人で飲むのには限界が近づいていた。
だから気の置けない仲間とパーッと盛り上がって、栞の話題はこれで最後にしようと思っていた。
夜8時半。
8時に待ち合わせたはずなのに、ヒデは30分遅れて居酒屋に入ってきた。
「悪ぃ。校舎の見回りがあって遅れちまった」
ヒデはカウンターの奥のほうで飲んでいる俺に“悪いな”という顔でそう言った。
「お〜ヒデ!先に飲んでたぞ」
俺はヒデを待つ30分の間に、生ビール2杯を飲んでいた。
最近は特に飲みっぱなしだった俺は、ビール2杯くらいじゃ全く酔わなくなっていた。
まあ沖縄出身だから酒の強さにはけっこう自信があって、ビールなんて水みたいな感じなんだ。
ヒデは隣に腰を下ろし、とりあえずビールを頼んだ。