2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- other side Sixteen --**
「久しぶりじゃね?直貴と2人で飲むのなんて」
乾杯をしたあと、ヒデはビールをグビッと飲んでから言った。
「今日はグチを聞いてほしくってよ〜。悪ぃな、仕事忙しいのに」
「お前から誘ったくせにとぼけたこと言うなよ。で、グチってなんだ?」
ヒデはそう言って、またビールを飲んだ。
「フラれちった〜、俺」
俺は左手で頬杖をついて、右手の箸で漬物をつつきながら言った。
「……いつ」
「いつだっけ……最近」
「なんで」
「あの人、ほら病気をうつした張本人のとこに行くんだってさ」
「……」
俺とヒデはビールを飲んだ。
ヒデは1口だけだったけど、俺は3分の1くらい残っていたビールを飲み干して4杯目を頼んだ。
「正直言うと俺も限界だったんだよ。抱きたいのに抱けねぇんだ。仕方ないのは分かってても、気持ちだけではつき合えなかった」
「……そうか」
4杯目のビールが来ると、俺はヒデに本音を話した。