2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- other side Sixteen --**
「なんで何も答えないんですか、ヒデ先生」
先生をやっているヒデだったら何かいい答えがあるんじゃないかと思ったのに、ヒデは言葉に詰まった。
だから俺は急かすように、ヒデに“先生”まで付けてもう1回聞いた。
「急に話振られてもな……、思い浮かばねぇ」
するとヒデは少し焦った様子でそう言った。
「なんだ、大した先生じゃないんだな、ヒデは」
「悪ぃな」
ヒデはそう言ってバツが悪そうな顔で笑った。
そこでなぜか2人とも会話は途切れてしまって、しばらく無言でビールを飲んだりつまみを食べたりした。
俺が一方的に話していたときは気にもしなかったけど、会話が弾まなくなったときにふとヒデの様子が少し変だと思うようになった。
でもさすがに4杯もビールを飲めば、酒に強い俺でもポ〜として思考力が落ちてくる。
ヒデには悪いけど、今日は俺のグチを聞いてもらうために呼び出したんだからと、それにかまってやれる余裕はなかった。