2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- Seventeen --**
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3月3日。
ワタシの25歳の誕生日。
ワタシはこの日から入院生活を始めることになった。
2ヶ月あまり通院していた病院だから、絶望的になったり変に気負いすることもなく、すんなりと病院の空気に適応できた。
やっぱり最初に見積もっていたとおり、入院の荷物は旅行カバン1つで、それほど大きいカバンじゃなくて済んだ。
残りの物は部屋を引き払うときに捨てたし、服は雪がもらってくれるものが多かった。
あるかどうかは分からないけど、外出許可や外泊許可が出たときは雪の部屋にお世話になることになっていた。
帰る家はもう十何年も前になくなったけど、帰る部屋もなくなったワタシは、病院のベッドか雪の部屋かのどちからしか行くところがなくなった。
でもこれも、ひっそりと死を迎えたいワタシにとってはいいことだった。
できるだけ無駄を省きたい、できるだけ物を残したくない。
まさしく“飛ぶ鳥、後を濁さず”的な発想。
そんな気持ちが大きかったから。