2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- Seventeen --**
夜になると雪がわざわざお見舞いに来てくれた。
「こんばんは〜、入院初日はどうですか〜?」
雪はベッドのカーテンの間から顔だけひょっこり出した。
「雪、わざわざ来てくれたんだ。ごめんね」
「何言ってんの。“ありがとう”って言わないとダメだよ、栞ちゃん」
「あ、ありがとう」
顔だけのぞかせる雪の格好に度肝を抜かれて、促されるままにそう言ってしまった。
「よし」
何が“よし”なのかは分からないけど、雪はニッコリ笑って近くの椅子に座った。
「今日は栞ちゃんの誕生日とひな祭りでしょう?だからいろいろ持ってきたんだ〜」
ジャーン!
と効果音でもつきそうなくらい勢いよくワタシの目の前に現われたのは、ひなあられと甘酒。
両手に持ったそれらを押しつけるようにワタシに渡すと、今度はきれいにラッピングされたプレゼントを出した。
「何だと思う?」
雪はそれをワタシの目の前でリズミカルに揺らしながら楽しげに聞いた。