2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- Seventeen --**



「雪にはバレバレだったかぁ〜」


ワタシそう言って、雪に倣(ナラ)って視線を床に落とした。


「まぁね〜」


雪は得意気に、勝ち誇ったようにワタシに満面の笑みを見せた。


「「ふっ、ふふっ」」


目が合うと、ワタシたちは特におかしいわけでもないのに笑いだしてしまった。


ほんと、今ここで誰かがくしゃみをしたって爆笑できるくらい、おかしかった。


そのあとは、雪が持ってきてくれたひなあられを食べて、甘酒も飲んだ。


小さな瓶に入った甘酒は、温めようにもワタシ自身も給湯室なんて知らなくて、冷たいままマグカップに注いで飲んだ。


ひなあられを食べている間も、冷たい甘酒を飲んでいる間も、ワタシたちは休む間もなく笑った。


1時間くらいすると、笑い声がもれていることに気づいた看護師さんが中に入ってきて、雪はつまみ出されてしまった。


ワタシの病室は、空いているベッドがなくて個室だった。


だから自然と笑い声も大きくなってしまったんだ。
 

< 387 / 613 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop